株式会社 栄養・病理学研究所

Institute of Nutrion & Pathology Inc.

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トップトピックス「ワクチン接種下の日本養豚現場におけるブタ流行性下痢ウイルス感染母豚の繁殖成績を,プロバイオティクス給与で改善する」

「ワクチン接種下の日本養豚現場におけるブタ流行性下痢ウイルス感染母豚の繁殖成績を,プロバイオティクス給与で改善する」

雑誌名:Frontiers in Immunology
ジャンル:原著論文(査読あり)
掲載年:2017年
原題:Dietary probiotic compound improves reproductive performance of porcine epidemic diarrhea virus infected sows reared in a Japanese commercial swine farm under vaccine control condition.
研究機関:稲富動物病院,東亜薬品工業株式会社,株式会社栄養・病理学研究所(最終著者・塚原),京都府立大学生命環境学部
弊社職員の役割:結果考察,論文執筆

2017年12月にFrontiers in Immunology誌に掲載されました「ワクチン接種下の日本養豚現場におけるブタ流行性下痢ウイルス感染母豚の繁殖成績を,プロバイオティクス給与で改善する」について解説いたします。

内容解説:2018年8月20日に解説いたしました「ブタ流行性下痢陽性農場で飼養されるワクチン未接種母豚における生菌剤給与による繁殖成績改善効果」の続編になります。本研究では,繁殖母豚へ予め市販生ワクチンを接種していたときの,繁殖母豚への生菌複合剤(ビオスリーPZ,東亜薬品工業株式会社製)給与による産仔へのブタ流行性下痢 (PED)の罹患状況改善について報告しています。
前回の報告同様,ビオスリーPZ給与によってPED罹患による産仔の損耗が大幅に改善されましたが,本試験で特徴的だったことはPED中和抗体価がビオスリーPZ給与群で顕著に高値化したことにあります。2018年8月20日に解説いたしました前報のワクチン未接種母豚よりも損耗改善がより顕著になったことから,市販生ワクチンを接種し,さらにビオスリーPZを少なくとも分娩前6週から給与することが最もPED対策として有効であると考えられました。
弊社は,本件のように養豚産業振興に繋がる有益な情報は,できるだけ速やかに公開し,幅広く共有できるように努力したいと考えております。この様な観点からのご相談,ご依頼もお気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。