株式会社 栄養・病理学研究所

Institute of Nutrion & Pathology Inc.

株式会社 栄養・病理学研究所

機器分析machine analysis

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機器分析についてmachine analysis

最近は,研究の一部,とくに分析のみをご依頼頂くケースが増えてきております。 機器分析は他の多くの検査機関で受託していますが,弊社は,なんといっても“受託研究機関が実施する分析”という点にメリットを見て,クライアント様から分析を依頼頂いているケースが多くなっております。 弊社では,(担当の得意分野ではとくに),分析結果の解釈などのご相談について,コメントをお返ししております(但し,「何とも言えない」場合もありますので,その辺りはご了解頂ければと思います)。
以下に,弊社で受託しております代表的な機器分析を示します。なお,下記に示されていない場合でも,可能な分析は多くあります。まずはお気軽にご相談頂ければ幸いです。

1.DNA・RNA抽出
腸内細菌などによって腸管内で生産される短鎖脂肪酸は,腸内環境を把握する上で重要なパラメータです。
DNA・RNA抽出は,弊社ではビーズ破砕後(MS-100, TOMY),クラボウ製の抽出キット(QuickGeneシリーズ,及びQuickGene 810抽出機)を採用しております。
一方で,ご指定の抽出法でも実施は可能です。お気軽にご相談頂ければ幸いです。
2.PCR
今やどの研究施設でもPCR分析は実施されていると思いますが,人手不足などの理由でご依頼頂くケースもございます。お気軽にご相談頂ければ幸いです。
  • 【 病原微生物の同定 】

    病原性大腸菌の毒素因子(STa, STb,LT,stx1,stx2,EAST-1),病原性大腸菌のO血清型(O138, O139, O141, O147),病原性大腸菌の付着抗原(K88,K99,987P,F18,F41,eaeA,paa,AIDA-1)を行った実績がございます。

3.リアルタイムPCR
遺伝子量を定量的に測定できるリアルタイムPCR装置は,今や研究における機器分析のスタンダードといっても過言ではありません。汎用性が高い分析ですので,多様なご依頼を頂いております。実施例を下記にご紹介いたします。
  • 【 消化管内細菌数測定 】

    主に腸内細菌の菌数を測定しています。畜産分野では大腸菌数・乳酸菌数の測定依頼が多いです(研究実績はこちら)。ヒトでは,総菌数・ビフィズス菌数の測定が多くなっております。
    最近は,腸内細菌構成網羅解析後のバリデーションとしての菌数測定としてもご利用頂いております(研究実績はこちら)。 なお,現在弊社で即対応可能な細菌は,総細菌(total bacteria),ビフィズス菌(Bifodobacterium sp.),乳酸菌群(Lactobacillus group),大腸菌(Escherichia coli)ウェルシュ菌(Clostridium perfringens),サルモネラ菌(Salmonella sp.,Megasphaera elsdenii),プロピオニバクテリウム属菌(Propionibacterium sp.),ブラキスピラ属菌(Brachyspira sp.)です。その他の細菌につきましては,培養可能か,プライマー設計が可能かで分析の可否が決まります。お気軽にご相談頂ければ幸いです

  • 【 mRNA発現解析 】

    mRNA発現解析はRoche製のUniversal ProbeLibraryを採用しており,Taqman®Probe作成費用をご請求しないシステムとなっております(但し,ほ乳類のみ)。魚類や鳥類でお考えの場合は,一度ご相談頂ければ幸いです。

  • 【 病原微生物の測定 】

    とくに畜産分野では,被験物質の有効性評価のために病原菌やウイルスを測定するケースも多く存在します。 現在弊社で即対応可能な病原微生物は,毒素原性大腸菌(LT, STaを検出),腸管出血性大腸菌(Stx2eを検出),ブタ増殖性腸炎菌(Lawsonia intracellularis),ブタ赤痢菌(Brachyspira hyodysenteriae),ブリ類結節症菌(Photobacterium damsela subsp. piscicida),ブタ流行性下痢ウイルス(PEDV),ブタ繁殖障害呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV),ブタサーコウイルス2型(PCV2),ブタロタウイルスA型,イリドウイルスが実施可能です。その他の病原微生物につきましては,一度ご相談頂ければ幸いです。

4.イオン排除クロマトグラフィー
有機酸濃度分析に特化しています。弊社では,コハク酸,乳酸,ギ酸,酢酸,プロピオン酸,イソ酪酸,n-酪酸,イソ吉草酸,n-吉草酸の計9種を一斉分析しております。腸管内容物など,有機酸濃度が比較的多く含まれる検体については,分離がよく,選択性が高い本法での分析を推奨しております。 測定法については既に論文にて公表しております。
5.ガスクロマトグラフィー・質量分析
弊社では,島津製作所製GCMS-QP2010 Ultra(オートインジェクターAOC-5000)を使用しています。低分子及び揮発性物質の定量分析は,この機器を用いております。分析例を下記にご紹介いたします。
  • 【 微量短鎖脂肪酸の定量 】

    血液中など微量な短鎖脂肪酸(酢酸,プロピオン酸,n-酪酸)を分析する場合は,上記のイオン排除クロマトグラフィー法ではなく,本法を推奨しております。測定法については既に論文にて公表しております。

  • 【 腐敗産物の定量 】

    腸管内では,微生物が発酵を行う過程で,いわゆる腐敗産物と呼ばれる物質が生産されます。弊社では代表的な腐敗産物であるインドール,スカトール,パラクレゾール,フェノールの4種を測定しております。測定法については,メタノール抽出後,GLサイエンス社製のInertCap 5カラムを用いて成分を分離し,質量分析計により各成分のイオン量を検出いたします(GLサイエンスの推奨法)。通常は,メタノール抽出したサンプルをインジェクションする「液打ち」で実施いたしますが,気相をインジェクションする「ヘッドスペース」注入にも対応しております。

  • 【 代謝物網羅解析(メタボロミクス) 】

    GC-MSを用いることで,一部の代謝物を網羅的に解析することが可能です。弊社 では,組織,血漿,腸管内容物における比較的低分子代謝物の網羅解析を行って おります。
    測定法については, Fujiwara et al. (2014)の前処理方法に従って抽出,乾固 および誘導体化を行った後,ご要望に応じてGL-サイエンス社製のInertCap 5MS/NPカラムまたはアジレント社製のDB-5カラムを使用して成分を分離 し,質量分析計により各成分をスキャンモードで検出いたします。解析にはMS- DIAL(理研)による半自動同定後,データベースと比較し各検出成分の整合性を 確認いたします。本解析については,解析法などについて予め相談しなければな らないことがありますので,事前にご相談頂ければ幸いです。

6.超高速液体クロマトグラフィー・タンデム型質量分析
弊社では,Waters製TQDを使用しています。GC-MSで測定できない高分子化合物の定量は,この機器を用いております。分析例を下記にご紹介いたします。
  • 【 安価なアミノ酸の定量 】

    カラムにImtakt社製の「Intrada Amino Acid」を採用することで,誘導体化をしない安価なアミノ酸濃度解析を実現いたしました。分析感度は多少落ちるものの,血中のタンパク質構成アミノ酸分析ではほぼ網羅できる分析構成となっております。

  • 【 高感度なアミノ酸の定量 】

    Waters社製のアミノ酸誘導体化分析キット「AccQ-Tag」を採用することで,高感度分析にも対応をしております。

  • 【 胆汁酸の定量 】

    肝臓から分泌される胆汁酸は,腸内細菌による代謝物も含めるとかなり豊富な種類があります。
    弊社では,胆汁酸をHagio et al. (2009)の方法に従って分析しております。コール酸,グリココール酸,タウロコール酸,デオキシコール酸およびリトコール酸が測定可能ですが,ご要望に応じて他種の胆汁酸の分析にも対応いたします。

  • 【 カビ毒素の定量 】

    カビが生産する毒素は,とくに畜産分野で近年問題となっております。弊社ではWaters社製のBEH C18カラムを使用して,血液や組織中のアフラトキシンおよびフモニシン濃度を定量分析しております。

7.ELISA・比色法
マイクロプレートリーダーで吸光度を測定することで,目的物質を定量しております。ELISAについては,マイクロプレートウォッシャーを使用し,再現性向上に努めております。
  • 【 各種ELISAキットを用いた定量 】

    市販の ELISAキットを用いることで,目的物質の定量解析を行っております。分析可能かはお問い合わせ頂ければと思います。現状最もご依頼が多い分析は,「総IgA濃度」となっております。

  • 【 総タンパク質の定量 】

    プロテインアッセイCBB溶液を用いることで,唾液や血液中の総タンパク質量を定量しております。唾液中のタンパク質濃度補正で使用するケースが多くなっております。

ご注文について

まずはお気軽に下記までご連絡ください。
試験計画書及び試験見積もり等作成いたします。

塚原隆充
代表取締役社長 / 博士(農学)/ 日本畜産学会機関誌
( Animal Science Journal ) 編集委員
所属学会 / 日本畜産学会,栄養・食糧学会
腸内細菌学会,日本家禽学会
tel
0774-99-7331
fax
0774-99-7332
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tsukahara@kyoto-inp.co.jp