株式会社 栄養・病理学研究所

Institute of Nutrion & Pathology Inc.

株式会社 栄養・病理学研究所

トップトピックス「Enterococcus facalis EC-12株の殺菌体経口給与はバンコマイシン耐性腸球菌の初生ビナ盲腸定着を阻害する」

「Enterococcus facalis EC-12株の殺菌体経口給与はバンコマイシン耐性腸球菌の初生ビナ盲腸定着を阻害する」

雑誌名:Poultry Science
ジャンル:原著論文(査読あり)
掲載年:2006年
原題:Cell preparation of Enterococcus faecalis strain EC-12 prevents vancomycin-resistant Enterococci colonization in the cecum of newly hatched chicks.
研究機関:京都府立大学生命環境学部,株式会社栄養・病理学研究所(第二著者・塚原),コンビ株式会社
弊社職員の役割:研究企画,剖検,結果考察

2006年2月にPoultry Science誌に掲載されました「Enterococcus facalis EC-12株の殺菌体経口給与はバンコマイシン耐性腸球菌の初生ビナ盲腸定着を阻害する」について解説いたします。

内容解説:バンコマイシン耐性腸球菌(以下VRE)は主に院内感染などが問題となっている多剤耐性菌の一種です。機能性食品の一種である市販機能性食品であるEC-12は,VREと同じ菌種であるEnterococcus faecalisを殺菌処理して作られます。同種の菌体(ここではEC-12)を予め給与しておくことで,E. faecalisに対する腸管免疫が強化され,VRE排除に役立つのではないかと考えて,ニワトリヒナを用いて研究を行いました。
その結果,予めEC-12を0.05% (w/w)飼料中に添加した飼料を給与することで,VREの腸管定着が顕著に抑制されました(無添加対照群が全羽VRE陽性であったのに対してEC-12群は54%陽性)。盲腸内容物中の総IgA濃度がEC-12給与によって顕著に高値化しており,また血清中のVRE特異的IgGが約2倍に高値化していたことから,EC-12の給与は免疫の活性化を通してVREの腸管定着を抑制することが示唆されました。
今回のように,ニワトリヒナ(ブロイラー,レイヤー)を用いた試験研究も弊社にて受託可能です。まずは弊社担当までお気軽にご相談頂ければ幸いです