「燕窩抽出物給与は閉経モデルラット大腿骨のRANKL mRNA発現を抑制する」
雑誌名:薬理と治療
ジャンル:原著論文
掲載年:2022年
原題:Feeding edible bird’s nest extract to ovariectomized rats downregulates the mRNA expression of RANKL in their femurs
研究機関:コンビ株式会社ライフサイエンス事業部,株式会社栄養・病理学研究所(筆頭著者・増田,最終著者・塚原)
弊社職員の役割:研究統括,研究企画,動物飼育管理,卵巣摘出,剖検,mRNA発現測定,結果考察,論文執筆
内容解説:既報「閉経モデルラットを用いた燕窩抽出物経口給与による骨強度および皮膚真皮層厚さの改善」にて,燕窩抽出物給与によって閉経モデルラットの大腿骨骨強度が改善することを報告しました。本稿では,燕窩抽出物給与による骨強度改善メカニズムを検討するため,大腿骨中の骨形成関連遺伝子,とくにRANKL (receptor activator of nuclear factor kappa-Β ligand)の発現について検討を行いました 。
既報と同様に作製した閉経モデルラットへ,燕窩抽出物(EBNE,コンビ株式会社製)を0, 2もしくは20 mg/kgを10週間連続で給与しました。同時に閉経処理しない健常ラットも飼育し,比較対照としました。その後,剖検を行い,大腿骨を採取し,大腿骨からRNAを抽出しました。得られたRNAを逆転写後,骨形成関連遺伝子(Bmp2,Ifnb,Il4,Il6,Mcsf及びRankl)の発現をreal-time PCRで測定し,ハウスキーピング遺伝子(Gapdh)発現で補正いたしました。
その結果,とくに破骨細胞分化因子であるRankl発現が,健常ラットと比較して閉経・EBNE 0 mg給与群で高値を示す様になりましたが,EBNEを20 mg給与したラットでは健常対照群よりも低値を示す様になりました。以上のことから,EBNE給与による閉経モデルラットの骨強度改善は,破骨細胞分化因子の発現抑制が少なくとも一部関係していると考えられます。