株式会社 栄養・病理学研究所

Institute of Nutrion & Pathology Inc.

株式会社 栄養・病理学研究所

トップトピックス「菌体資材(死菌体)」

「菌体資材(死菌体)」

雑誌名: Pig Journal
ジャンル:解説記事(査読なし)
掲載年:2018年
研究機関:株式会社栄養・病理学研究所(単独著者・塚原)

特集:飼料添加物コリスチン使用禁止の影響を回避する!」内の「菌体資材(死菌体)

内容解説:これまで,肉豚(とくに離乳期)のエサの中に,硫酸コリスチンという抗生物質が添加されてきました。硫酸コリスチンは大腸菌やサルモネラ菌などグラム陰性菌にとくに効果を表す抗生物質であり,離乳直後に発生する下痢の原因である病原性大腸菌やサルモネラ菌へはとくに効果を発揮します。2018年7月を期限として,この硫酸コリスチンの飼料中への添加が禁止されます。その結果,離乳後の病原性下痢が発生するリスクが高まる農家が多く出てくると予想されますが,その発生を出来るだけ軽減するための方策を考える特集の中の1節を担当いたしました。
菌体資材とは,いわゆる生菌剤としても用いることが可能な有用菌を殺菌処理している製品です。最近,生菌と死菌での免疫活性化効果比較を投稿しておりますが,死菌の方が免疫活性化の効果が高いという結果でした。
また,病原性大腸菌の中でもベロ毒素産生大腸菌が引き起こすブタ浮腫病については,発症時に好酸球が体内各所に大量に増殖しているという報告からもアレルギーがその病態と強く関与していると考えています。これらのアレルギー症状緩和による浮腫病発症予防についても,菌体資材の免疫活性化効果が有用であることを報告しております