株式会社 栄養・病理学研究所

Institute of Nutrion & Pathology Inc.

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トップトピックス「燕窩抽出物給与はヘアレスマウスを用いた紫外線照射による皮膚老化を抑制する」

「燕窩抽出物給与はヘアレスマウスを用いた紫外線照射による皮膚老化を抑制する」

雑誌名:Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition
ジャンル:原著論文
掲載年:2022年
原題:Edible bird’s nest extract downregulates epidermal apoptosis and helps reduce damage by ultraviolet radiation in skin of hairless mice
研究機関: 株式会社栄養・病理学研究所(筆頭著者・増田,最終著者・塚原),コンビ株式会社ライフサイエンス事業部
弊社職員の役割:研究統括,飼育観察,動物飼育,10週間のUV照射,剖検,皮膚病理組織学的検査,皮膚mRNA発現解析,結果考察,論文執筆

2022年1月に,Journal of Clinical Biochemistry and Nutritionに掲載されました「燕窩抽出物給与はヘアレスマウスを用いた紫外線照射による皮膚老化を抑制する」をご紹介いたします。

内容解説: 燕窩抽出物(商品名コロカリア)は,ツバメの巣を原料とした,漢方薬としても古くから用いられている燕窩を酵素処理して,有効成分の露出を多くし,効能をさらに引き出している製品です。弊社では,既報で閉経ラットを用いた骨粗鬆症モデルでの骨強度改善効果について報告いたしました。この時,同時に皮膚の病理組織学的検査を実施したところ,コロカリア給与によってコラーゲン層が厚くなっていました。この結果から,燕窩抽出物には,とくに皮膚酸化ストレス条件下での機能改善がある可能性を考え,本研究を計画しました。
紫外線は皮膚の酸化ストレスを増大させることが知られており,皮膚老化を促進させます。そこで本研究では,ヘアレスマウスにUV-A波とUV-B波を隔日で交互に照射することで,実験的に皮膚への酸化ストレス負荷状態を作出し,燕窩抽出物給与による皮膚機能改善について検討を行いました。10週間のUV照射期間中,燕窩抽出物は毎日給与しております。10週後の皮膚について病理組織学的検査を行った結果,上皮細胞のアポトーシス数が燕窩抽出物給与で顕著に低値化しており,皮膚酸化ストレス除去が亢進している可能性が示唆されました。また,皮膚のスーパーオキサイドジスムターゼ mRNA発現解析も実施し,燕窩抽出物給与による亢進も確認しております。弊社は病理組織学的検査を得意としているため,今回のように病理組織学的検査とその他の分析を融合させた評価系を得意としております。病理組織学的検査は,販売促進資料などで,効能を訴求しやすいツールですので,もし本評価系にご興味がある方は是非一度ご相談ください。