株式会社 栄養・病理学研究所

Institute of Nutrion & Pathology Inc.

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トップトピックス「大学のラグビー選手における糞便中の微生物叢と有機酸濃度の変化は,腸内環境異常の可能性を示している:観察研究」

「大学のラグビー選手における糞便中の微生物叢と有機酸濃度の変化は,腸内環境異常の可能性を示している:観察研究」

雑誌名:Microorganisms
ジャンル:原著論文
掲載年:2021年
原題:Altered fecal microbiotas and organic acid concentrations indicate possible gut dysbiosis in university rugby players: An observational study
研究機関:摂南大学農学部,摂南大学スポーツ振興センター,株式会社栄養・病理学研究所(第六著者・塚原),京都府立医科大学消化器内科学教室,京都府立医科大学生体免疫栄養学講座
弊社職員の役割:糞便中有機酸濃度測定,結果考察

2021年8月にMicroorganisms誌に掲載されました「大学のラグビー選手における糞便中の微生物叢と有機酸濃度の変化は,腸内環境異常の可能性を示している:観察研究」について,弊社が担当した分析項目を主に解説いたします。

内容解説:良好な腸内環境維持は健康に不可欠ですが,しばしばスポーツ選手では食事などの要因で腸内環境が変わることが知られています。これまで我々の研究グループでは,長距離ランナーにおける腸内細菌叢の変化について報告してきました。今回は,大学の男性ラクビー選手での腸内細菌叢の変化について,健常男性との比較を行いました。その結果,菌叢の多様性を示すChao1指数がラグビー選手で低値化し,ファーミキューテス門の高値化とバクテロイデテス門の低値化が認められました。さらに詳しく見るとラグビー選手ではコリンセラ,エンテロバクター及びヘモフィルス属菌の高値化とアッカーマンシア属菌の低値化が認められました。さらに驚くべきことに健常者の糞便からはほとんど検出されないコハク酸が多く含まれており,健常男性の約5倍の濃度を示しておりました。
弊社では,このコハク酸を含む腸内細菌の代謝産物である有機酸(コハク酸,乳酸,ギ酸,酢酸,プロピオン酸,イソ酪酸,酪酸,イソ吉草酸,吉草酸)の分析を行なっております。有機酸を含む腸内細菌叢の代謝産物測定は是非弊社にご用命ください