株式会社 栄養・病理学研究所

Institute of Nutrion & Pathology Inc.

株式会社 栄養・病理学研究所

トップトピックス弊社で実施している筋肉中イミダゾールジペプチド測定法

弊社で実施している筋肉中イミダゾールジペプチド測定法

雑誌名:Metabolites
ジャンル:原著論文
掲載年:2022年
原題:Metabolism of imidazole dipeptides, taurine, branched-chain amino acids, and polyamines of the breast muscle are affected by post-hatch development in chickens.
研究機関: 京都大学農学部,株式会社栄養・病理学研究所(第二著者・川瀬,第三著者・塚原),日本獣医生命科学大学応用生命科学部
弊社職員の役割:イミダゾールジペプチド測定,結果考察

栄養・病理学研究所で実施しております,筋肉中イミダゾールジペプチド濃度測定法について,既報を元にご紹介申し上げます。

【検体の前処理】
① 標準物質としてカルノシン,アンセリン,タウリン及びバレニンを用い,各物質の濃度が10〜500 μmol/Lとなるように超純水で濃度調整します。
② 内部標準物質として,L-ヒスチジン塩酸塩一水和物(ring-2-13C)及びL-グルタミン(d5)を用い,両物質の濃度が0.1 mg/Lとなるように超純水で濃度を調整します。
③ 凍結粉砕処理済みのニワトリ筋肉重量100 mgに対し,400 μLの0.2 M過塩素酸及び5.5φステンレスビーズ(TOMY)1個を加え,3,000 rpmの条件で30秒間ビートビーディングします。
④ 暗所氷上で30分間静置し,15,000 g,4℃の条件で15分間遠心した後,上澄みを0.2 μmのフィルター(mdi Membrane Technologies)でろ過します。
⑤ ろ液20 μLに対し,内部標準物質を5μL添加しボルテックスします。誘導体化にはWaters製のAccQ-Tag誘導体化キットを使用し,ホウ酸バッファー140 μL及び誘導体化試薬40 μLを加えボルテックス後,55℃で15分間反応させ,分析に供します。

【UPLC-MS/MSを用いた定量】
① 分析には弊社所有のUPLC-MS/MS (ACQUITY UPLC;Waters)を用いて行っております。装着するカラムはAccQ-Tag Ultra Column 2.1 i.d. × 100 mm, 1.7 μm particles (Waters)です。分析条件は以下となります。A液:AccQ-Tag誘導体化キット付属のA液を超純水で10倍希釈して用いました。B液:AccQ-Tag誘導体化キット付属のB液を用いました。流速は0.7 mL/minとし,グラジエント条件は0-0.54min (A液99.9%),0.54-5.74min (A液99.9-90.9%),5.74-7.74min (A液90.9-78.8%) ,7.74-8.04min (A液78.8-40.4%),8.04-8.05min (A液40.4-10%),8.05-8.64min (A液10%),8.64-8.73min (A液10-99.9%)としました。インジェクション量は1 μL,カラム温度は55℃,サンプル温度は4℃としました。
② 質量分析計での検出:弊社所有のACQUITY TQD MS system (Waters)を用いて行っております。条件は以下となります。イオン化はESI positive,キャピラリー電圧は3.0 kV,脱溶媒ガスは900 L/hr,脱溶媒温度は450 ℃,イオン源ヒーターは150 ℃,コーンガス流量は60 L/hrとしました。MRM条件など詳細は下記論文をご参照下さい。

以上となっております。これらの分析法については,以下のリンクに示す論文に記載されておりますので,併せてご確認いただければ幸いです。