株式会社 栄養・病理学研究所

Institute of Nutrion & Pathology Inc.

株式会社 栄養・病理学研究所

トップトピックス「離乳期子豚を用いた腸管毒血症大腸菌実験感染系におけるEnterococcus faecalis殺菌菌体(EC-12)の低濃度における浮腫病予防性評価」

「離乳期子豚を用いた腸管毒血症大腸菌実験感染系におけるEnterococcus faecalis殺菌菌体(EC-12)の低濃度における浮腫病予防性評価」

雑誌名:Journal of Veterinary Medical Science
ジャンル:原著論文(査読あり)
掲載年:2007年
原題:Evaluation of the low dose level of a heat-killed and dried cell preparation of Enterococcus faecalis to prevent porcine edema disease using experimental infection model with enterotoxcemic Escherichia coli in weaning pigs.
研究機関:京都府立大学生命環境学部,株式会社栄養・病理学研究所(筆頭著者・塚原,第四著者・中山),株式会社京都動物検査センター,コンビ株式会社
弊社職員の役割:研究統括研究企画,剖検,ベロ毒素産生大腸菌の定量 (real-time PCR),温度勾配ゲル電気泳動法(TGGE)を用いた腸内細菌構成解析,腸管及び全臓器の病理組織学的検査,有機酸濃度(乳酸,酢酸,プロピオン酸,n酪酸,n吉草酸)測定,結果考察,論文執筆

2007年2月にJournal of Veterinary Medical Science誌に掲載されました「離乳期子豚を用いた腸管毒血症大腸菌実験感染系におけるEnterococcus faecalis殺菌菌体(EC-12)の低濃度における浮腫病予防性評価」について解説いたします。

内容解説:2018年5月7日にご紹介いたしましたブタ浮腫病を高率で再現する実験系を用いて,乳酸菌の死菌体(Enterococcus faecalis EC-12株;EC-12)のブタ浮腫病予防効果を検証いたしました。
事前に行った予備検討で,EC-12を飼料中に0.05%添加すると養豚場で発生する大腸菌症を改善できることを既に報告しておりましたので,0.05%を最高添加濃度として,それよりも低濃度(0.01%,0.005%)でも予防効果が認められるかについての検討を行いました。
その結果,感染後の日増体,飼料要求率及び目周囲浮腫がEC-12を0.05%添加することで顕著に改善しましたが,それよりも低い濃度では改善効果は認められませんでした。本製品給与によって,腸管内の病原性大腸菌数が減少した訳ではありませんでしたので,病原性大腸菌数を減らしたというよりは,病原性大腸菌が生産するベロ毒素に対する抵抗性をブタに付与したと考えています。
本研究で示された結果をもとに,養豚現場での飼料中添加濃度が決定されるようになりました。ブタ浮腫病は,陽性農場はそれ程多くは無いものの,一度農場内に入ってしまうとかなり厄介な疾病です。陽性農場でも本製品給与は浮腫病予防に有効であったという声も多数聞いておりますので,本研究は養豚産業に少しでも貢献できたのかなという研究課題であったと思います。
当菌株にご興味をお持ちの方は,弊社までご連絡いただければ取次をいたしますので,お気軽にお問い合わせください。