株式会社 栄養・病理学研究所

Institute of Nutrion & Pathology Inc.

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トップトピックス「雌マウスへのアラビアガム長期給与が脂肪組織に及ぼす影響」

「雌マウスへのアラビアガム長期給与が脂肪組織に及ぼす影響」

雑誌名:Food Hydrocolloids
ジャンル:原著論文(査読あり)
掲載年:2011年
原題:Effect of long term ingestion of gum arabic on the adipose tissues of female mice.
研究機関: 京都府立大学生命環境学部,株式会社栄養・病理学研究所(第四著者・塚原),グリンドル大学
弊社職員の役割:脂肪組織の組織標本作製,結果考察

2011年5月にFood Hydrocolloids誌に掲載されました「雌マウスへのアラビアガム長期給与が脂肪組織に及ぼす影響」について解説いたします。

内容解説:腹部の肥満は俗にいう「メタボ」の最も典型的な一症状です。食物繊維の給与が抗肥満効果を示すことはよく知られていますが,代表的な水溶性食物繊維であるアラビアガムについては,これまで検討されたことはありませんでした。本研究では,90日齢のメスマウスへアラビアガムを飲水に添加(1%)して継続給与し,180日後に肥満が抑制されているかを検討いたしました。その結果,内臓脂肪の蓄積がアラビアガム給与で抑制され,腓腹筋の年齢による減少も改善されました。内臓脂肪蓄積の抑制は,脂肪組織でのTNF-アルファ発現抑制が関係していると考えられ,本発現抑制はアラビアガム給与による盲腸内の腸内細菌叢の変化やその代謝物(短鎖脂肪酸)の生産促進によるものと考えられました。
弊社は本研究において,脂肪細胞の面積を測定するための脂肪組織の病理組織標本を作製しております。脂肪組織の病理組織標本作製については,標本上で細胞の形状を保持させることは難しく,お困りの方も多いと思います。弊社は綺麗な標本を作ると評判になっており,現在でも多数のご依頼をいただいております。脂肪組織にかかわらず,作製が難しい臓器・組織がございましたら是非弊社へご用命頂きますよう何卒よろしくお願い申し上げます