株式会社 栄養・病理学研究所

Institute of Nutrion & Pathology Inc.

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トップトピックス「母豚乳首毎の初乳量及び初乳中総IgA・IgG濃度差」

「母豚乳首毎の初乳量及び初乳中総IgA・IgG濃度差」

雑誌名:Animal Science Journal
ジャンル:原著論文
掲載年:2014年
原題:The evaluation of secretion volume and immunoglobulin A and G concentrations in sow colostrum from anterior to posterior teats
研究機関:京都府立大学生命環境学部,株式会社栄養・病理学研究所(第二著者・塚原),株式会社京都動物検査センター
弊社職員の役割:母乳の採材,結果考察

2014年6月にAnimal Science Journal誌に掲載されました「母豚乳首毎の初乳量及び初乳中総IgA・IgG濃度差」について解説いたします。

内容解説:繁殖母豚は一度に10頭以上の仔を産出し,その仔を母乳で育てます。乳首はほぼ14個ありますが,家畜の中でブタのみが仔ごとに乳首が決まっていますので,各乳首が同量・同質の母乳を生産しているのかを調べることは,産仔全体の健康および成長を知る上で重要です。本研究では,母豚9頭を用いて,各乳首初乳中の母乳量および母乳中イムノグロブリンGおよびAの濃度を測定しました。
分娩から21時間までで,5回母乳を採取しました。乳首は胸から腰にかけて1〜7と番号をつけました。前方の1〜2番,中間の3〜5番の乳首は,後方の6〜7番の乳首と比較して泌乳量が多い傾向にあり,泌乳量とIgA,IgGが正の相関を示す傾向にありました。
この結果から,前方の乳首が泌乳量および抗体量とも多く,この乳首を獲得できた産仔は成長が早くなると考えられました。