株式会社 栄養・病理学研究所

Institute of Nutrion & Pathology Inc.

株式会社 栄養・病理学研究所

トップトピックス「異種移植ドナーブタにおける病原微生物検出のための検査パネル開発」

「異種移植ドナーブタにおける病原微生物検出のための検査パネル開発」

雑誌名:Xenotransplantation
ジャンル:原著論文
掲載年:2023年
原題:Development of a panel for detection of pathogens in xenotransplantation donor pigs
研究機関:摂南大学農学部,京都府立大学生命環境学部,明治大学バイオリソース研究国際インスティテュート,明治大学農学部,株式会社栄養・病理学研究所(第九著者・塚原)
弊社職員の役割:検出する病原微生物の選定,結果考察

2023年9月に,Xenotransplantation誌に掲載されました「異種移植ドナーブタにおける病原微生物検出のための検査パネル開発」について解説いたします。

内容解説:近年,異種移植や再生医療によるヒトの治療への期待が高まっており,ドナーモデルとしてブタが活用されています。これらの臨床応用に用いられるブタは,家畜だけでなくヒトへの感染を防ぐために,微生物学的に安全であること,すなわち感染性病原体が存在しないことを求められます。一方で,現状ではヒトに感染したり,移植されたブタの臓器・細胞に疾患を引き起こす病原体の解明は十分ではありません。そこで本研究では,異種移植ドナーブタに感染する可能性のある病原体を検出するための,より大規模なパネルの開発を目指しました。新たに開発したパネルは,76の高感度PCR検出アッセイで構成されており,41のウイルス,1つの原生動物および広範囲の細菌(ユニバーサル16S rRNAプライマーを使用)を検出することが可能となりました。