株式会社 栄養・病理学研究所

Institute of Nutrion & Pathology Inc.

株式会社 栄養・病理学研究所

トップトピックス「発酵米ぬか給与は腸内細菌叢とその代謝物を変化させることでメスマウスの肥満を抑制する」

「発酵米ぬか給与は腸内細菌叢とその代謝物を変化させることでメスマウスの肥満を抑制する」

雑誌名:Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition
ジャンル:原著論文
掲載年:2022年
原題:Fermented rice bran supplementation ameliorates obesity via gut microbiota and metabolism modification in female mice
研究機関: 鈴鹿医療科学大学,福井大学,株式会社マックスプロバイオ,株式会社栄養・病理学研究所(第三著者・川瀬,第四著者・塚原)
弊社職員の役割:菌叢網羅解析,総菌数測定,有機酸濃度測定,メタボロミクス(GC-MS),胆汁酸成分解析

2022年3月に,Journal of Clinical Biochemistry and Nutritionに掲載されました「発酵米ぬか給与は腸内細菌叢とその代謝物を変化させることでメスマウスの肥満を抑制する」について解説いたします。

内容解説:発酵米ぬか給与による肥満への効果を検証するため,高脂肪のエサを給与した肥満モデルマウスを用いて検討を行いました。試験群は2群とし,発酵米ぬか(マックスプロバイオ製)を0.239%高脂肪飼料中に添加する群,無添加の高脂肪飼料給与群を設定後,8週間飼育しました。飼育後の糞便中菌叢の網羅解析,糞便中短鎖脂肪酸濃度測定を弊社にて実施いたしました。また,血清中の代謝物網羅解析及び胆汁酸濃度測定を弊社にて実施いたしました。
その結果,発酵米ぬか給与によって高脂肪食によって誘導される体重増加が顕著に抑制され,腸内細菌叢も大きく変化していました。発酵米ぬか給与によって糞便中のコハク酸濃度が低下しており,血中のフマル酸濃度増及びキシリトール,ソルビトール,ウラシル,グルタミン酸,リンゴ酸濃度減が認められました。以上のことから,高脂肪食マウスへ発酵米ぬかを給与することで,腸内細菌叢及び代謝の変化が確認でき,その結果肥満が抑制される可能性が示唆されました。