株式会社 栄養・病理学研究所

Institute of Nutrion & Pathology Inc.

株式会社 栄養・病理学研究所

トップトピックス弊社で実施している糞便中腐敗産物濃度測定法

弊社で実施している糞便中腐敗産物濃度測定法

雑誌名:Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition
ジャンル:原著論文(査読あり)
掲載年:2021年
原題:Intensive, prolonged exercise seemingly causes gut dysbiosis in female endurance runners.
研究機関: 摂南大学農学部,京都府立大学生命環境学部,日本体育大学総合スポーツ科学研究センター,株式会社栄養・病理学研究所(第四著者・川瀬,第六著者・塚原),京都府立医科大学消化器内科学教室,京都府立医科大学生体免疫栄養学講座
弊社職員の役割:糞便中有機酸(コハク酸,乳酸,ギ酸,酢酸,プロピオン酸,イソ酪酸,ノルマル酪酸,イソ吉草酸,ノルマル吉草酸)濃度測定,糞便中腐敗産物濃度(インドール,パラクレゾール,フェノール,スカトール,パラエチルフェノール)測定,結果考察

栄養・病理学研究所で実施しております,糞便中腐敗産物濃度測定法について,既報を元にご紹介申し上げます。

【検体の前処理】
① 糞便0.1 gを2 mL容ねじ口チューブに採取し,ステンレス製ボールを1個入れた後,メタノールを0.9 mL加え,30 秒間ビートビーディングします。
② ボルテックスを10秒間行い,5分間遠心分離を行います。
③ 遠心上清を3.5 mL容のクライオチューブに回収し,残渣にメタノールを1 mL加え,再びビートビーディング後,再度遠心分離を行う操作を計2回行います。
④ 得られた上清(約2.9 mL)を十分に混和し,分析用サンプルとします。

【GC-MSを用いた定量】
① 腐敗産物(インドール,パラクレゾール,フェノール,スカトール,パラエチルフェノール)はガスクロマトグラフィー質量分析計 (GC-MS) を用いて定量します。なお,本分析法はGLサイエンス社が提供するアプリケーションに準拠しています。
② ガスクロマトグラフ:弊社所有のGC-2010 Plus(島津製作所)を用いて行なっております。装着するカラムはInertCap5 0.25 µm×30.0 m×0.25 mm(GLサイエンス)です。分析条件は以下となります。カラムオーブン温度,40℃;気化室温度,250℃;注入モード,スプリット;キャリアガス,ヘリウム;インジェクション量,1.0 µL;制御モード,線速度;圧力,99.9 kPa;全流量,67.0 mL/分;カラム流量,1.78 mL/分;線速度,48.1 cm/秒;パージ流量,3.0 mL/分;スプリット比,35.0;昇温プログラム,40℃(0-2分)→200℃(2-12分)→320℃(12-22分)→320℃(22-32分)。
③ 質量分析計での検出:弊社保有のGCMS-QP2010 Ultra(島津)を用いて行なっております。条件は,以下となります。イオン源温度,200℃;インターフェース温度,250℃;溶媒溶出時間,0.1分;検出器電圧,チューニング結果からの相対値+0.1 kv;m/z,インドール…117.0・パラクレゾール…108.0・フェノール…94.0・スカトール…131.0・パラエチルフェノール…122.0。
以上となっております。これらの分析法については,以下のリンクに示す論文に記載されておりますので,併せてご確認いただければ幸いです。