株式会社 栄養・病理学研究所

Institute of Nutrion & Pathology Inc.

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トップトピックス「エンテロコッカスフェカリス殺菌菌体給与の,早期離乳による絨毛萎縮に対する効果のマウス及びブタを用いた評価」

「エンテロコッカスフェカリス殺菌菌体給与の,早期離乳による絨毛萎縮に対する効果のマウス及びブタを用いた評価」

雑誌名:Animal Science Journal
ジャンル:原著論文(査読あり)
掲載年:2011年
原題:Evaluation of the heat-killed and dried cell preparation of Enterococcus faecalis against villous atrophy in early-weaned mice and pigs.
研究機関: 京都府立大学生命環境学部,株式会社栄養・病理学研究所(筆頭著者・塚原),コンビ株式会社
弊社職員の役割:研究統括,研究企画,剖検,腸管の病理組織学的検査,結果考察論文執筆

2011年4月にAnimal Science Journal誌に掲載されました「エンテロコッカスフェカリス殺菌菌体給与の,早期離乳による絨毛萎縮に対する効果のマウス及びブタを用いた評価」について解説いたします。

内容解説:ブタは離乳によって一時的に絨毛が萎縮することは以前のトピックスでもご紹介いたしました。とくに早期離乳でこの傾向は顕著になり,離乳後の発育に大きな影響を及ぼします。絨毛萎縮を緩和させる技術はすでに多く知られていますが,その中でも乳酸菌の給与が絨毛萎縮を緩和させることが知られています。本研究では,乳酸菌の殺菌乾燥菌体であるエンテロコッカスフェカリスEC-12株(EC-12)給与による絨毛萎縮改善効果を,マウス及びブタで検討しています。
マウスを早期離乳させ,EC-12を毎日強制経口給与したところ,絨毛萎縮の改善効果が認められました。マウスで効果が認められた投与濃度と同濃度で早期離乳させたブタへEC-12を毎日強制経口給与したところ,マウスと同様に絨毛萎縮の改善効果が認められました。さらに,ブタへ強制経口給与した濃度から,飼料添加濃度を換算して早期離乳ブタへ今度は飼料添加でEC-12を給与したところ,同様に絨毛萎縮の改善効果が認められました。以上の結果から,EC-12が早期離乳による絨毛萎縮を緩和させる資材として有用であることが確認できました。
農林水産省による「抗菌剤の慎重使用」施策もあり,最近はこの様に抗菌剤代替資材の探索が活発になってきており,弊社にも多くのご依頼を頂いております。とくに,絨毛萎縮の緩和はユーザー様へ視覚的に効果を訴求できるため,ご要望が多い検査となっております。御社製品によるブタもしくはニワトリでの絨毛伸長効果について検討したいとお考えでしたら,是非一度弊社にご相談いただければ幸いです。弊社ではスクリーニングとして今回の論文でご紹介したマウスでの実験系も持ち合わせております。