株式会社 栄養・病理学研究所

Institute of Nutrion & Pathology Inc.

株式会社 栄養・病理学研究所

トップトピックス「食物繊維が持続的な養豚経営の救世主となる可能性−飼料原料/機能性飼料を用いた,短鎖脂肪酸を介したエネルギー生産−」

「食物繊維が持続的な養豚経営の救世主となる可能性−飼料原料/機能性飼料を用いた,短鎖脂肪酸を介したエネルギー生産−」

雑誌名:月刊養豚界
ジャンル:解説記事
掲載年:2023年
原題:同上
研究機関: 株式会社栄養・病理学研究所(単著・塚原)
弊社職員の役割:記事執筆

2023年3月に,月刊養豚界誌に掲載されました「食物繊維が持続的な養豚経営の救世主となる可能性−飼料原料/機能性飼料を用いた,短鎖脂肪酸を介したエネルギー生産−」をご紹介いたします。

内容解説:弊社塚原が企画・監修いたしました特集「知っておきたい!豚の腸内細菌叢」内の1記事として掲載のテーマで執筆を行いました。
ブタはイノシシを起源としていることから,雑食性の動物と考えられてきましたが,腸内細菌叢をみるとゾウやウマなど草食といわれる動物と近いことがわかっています。草食動物に近いと判断される最大の点は,植物の細胞壁成分である「セルロース」を分解できる細菌群の存在にあります。これらの細菌群をブタが保有しているということは,我々ヒトの腸内細菌叢ではほとんど行えない「セルロースを分解」をして,エネルギー(短鎖脂肪酸)を得ることが可能ということになります。実際,ブタの糞便を使って,セルロースを分解して短鎖脂肪酸が生産されるかを試験管内で確認したところ,良好な短鎖脂肪酸生産が認められております。セルロースは現状我々が可食できないとして廃棄している食品残渣に多く含まれる成分であることから,これらを利用することで近年の飼料高騰を抑制できる可能性があると考えております。現在も研究を進めておりますので,進展がありましたらご紹介したいと思います。