「閉経モデルラットを用いた燕窩抽出物経口給与による骨強度および皮膚真皮層厚さの改善」
雑誌名:Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
ジャンル:原著論文(査読あり)
掲載年:2011年
原題:Improvement of bone strength and dermal thickness due to dietary edible bird’s nest extract in ovariectomized rats.
研究機関: 株式会社栄養・病理学研究所(筆頭著者・松川,第五著者・中山,最終著者・塚原),北海道大学農学部,コンビ株式会社,藤女子大学人間生活学部
弊社職員の役割:研究統括,研究企画,動物飼育管理,卵巣摘出,剖検,骨強度測定,結果考察,論文執筆
内容解説:閉経による性ホルモンの変化は生体に様々な影響をもたらします。とくに骨粗鬆症は,閉経による主要な影響として広く認知されています。「燕窩」は漢方薬でも用いられている素材ですが,近年様々な効能が科学的に証明されております。とくに既報では燕窩はコンドロイチングルコサミノグルカンを豊富に含んでいることが報告されていますが,この成分は骨の主要な構成成分となっております。本研究では,燕窩抽出物を閉経モデルラットへ給与することで骨強度を改善できるのかを検討いたしました。
卵巣摘出し,閉経モデルとしたラットへ10 mg/kg体重当たりもしくは100 mg/kg体重当たりの燕窩抽出物を10週間,経口で給与いたしました。10週後に剖検を行い,大腿骨の骨強度及び背部皮膚の真皮層(コラーゲン繊維層)厚さを測定いたしました。その結果,燕窩抽出物を100 mg/kg給与することで,骨強度および皮膚真皮層厚さを顕著に改善することができました。メカニズムについては不明な点が多いままではありますが,以上の結果から,燕窩抽出物を100 mg/kg給与は閉経による骨粗鬆症予防に効果がある可能性が示唆されました。