「マウス小腸における初生からのToll様受容体2及び4の発現推移」
雑誌名:Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
ジャンル:原著論文(査読あり)
掲載年:2017年
原題:Expression of TLR2 and TLR4 in murine small intestine during postnatal development.
研究機関: 京都府立大学生命環境学部,北海道大学創成研究機構,株式会社栄養・病理学研究所(最終著者・塚原)
弊社職員の役割:動物飼育,腸管採材,結果考察
2017年2月にBioscience, Biotechnology, and Biochemistry誌に掲載されました「マウス小腸における初生からのToll様受容体2及び4の発現推移」について解説いたします。
内容解説:腸内細菌は宿主の免疫に対して重要な役割を担っており,一部はToll様受容体(TLR)を介して認識されています。本研究では,生後からのTLR2及びTLR4の小腸での発現推移をマウスで検討しております。マウスの小腸におけるTLR2及びTLR4発現は生後の発達で劇的に変化していました。とくにほ乳期にその傾向は顕著で,ほ乳中期でその発現は極大を示しておりました。フローサイトメトリーを用いてTLR2及びTLR4発現細胞を確認したところ,上皮細胞であると結論いたしました。一方,無菌マウスでは生後発達によるTLR2及びTLR4の発現はほとんど変化しませんでした。これらのことから,常在細菌叢によって生後の小腸上皮細胞TLR2及びTLR4発現が誘導されることがわかりました。